翻訳家・柴田元幸さんが責任編集を務め、全ページフルカラーのビジュアル豊かな文芸誌「MONKEY」。 国内外の書き手、描き手による毎号創作の実験室のような誌面、第34号の特集は「ここにもっといいものがある。」 23号での特集翻訳家・岸本佐知子さんと柴田元幸さんが好きな作品を持ち寄って訳す短編競訳「ここにいいものがある。」が、大変好評ののちに単行本化された以来の、第二弾。また、表紙や本文中の挿絵などアートワークを高田安規子・政子さんが担当し、今号も総じて楽しみな1冊です。(原口)


【目次】
特集　ここにもっといいものがある。
岸本佐知子＋柴田元幸 短篇競訳
Cover and contents artwork by Takada Akiko & Masako
Photograph by Tada

猿のあいさつ（柴田元幸）
スーヴァンカム・タマヴォンサ
ランディ・トラヴィス　訳―岸本佐知子

エリック・マコーマック
家族の伝統
訳―柴田元幸

競訳余話1
KnifeのKを読め

ダニエル・ダットン
インスタレーション
書かないこと
訳―岸本佐知子

ヘザー・アルトフェルド
死んだ言語たちを悼む
沈黙を悼む
訳―柴田元幸

競訳余話2
テクストは星座

アンバー・スパークス
大切なものを隠しておくための場所
訳―岸本佐知子

ステイシー・オーモニエ
「将軍」拉致
訳―柴田元幸

競訳余話3
短篇に求めるもの

坂口恭平/今もなんとか生きのびている

No Music, No Stories / ブレイディみかこ　道、川、線路
絵ー長崎訓子

百の耳の都市 / 古川日出男「文字禍」
artwork―*高田安規子・政子　写真―ただ

このあたりの人たち/ 川上弘美「ラーメン」
写真―野口里佳

死ぬまでに行きたい海 / 岸本佐知子「下北沢」

ネルソン・オルグレン / あんたの名前、ジョー？
訳―柴田元幸　絵―平松麻

本号の執筆者／次号予告

猿の仕事

ケリー・リンク/ 他人のゴースト・ストーリー
訳―柴田元幸　絵―見崎彰広


次号のテーマは”ポール・オースター”