友だちに宛てた手紙のように
3年にわたり書きつがれた
神戸・六甲での暮らし。
（帯より）

料理家・文筆家として活躍する高山なおみさんによる、神戸新聞の連載が一冊の書籍になりました。

数年前、東京・吉祥寺から神戸へと住まいを移し、ひとり暮らしをはじめた高山さんが綴る日々のこと。本を読み、自然にふれ、新たな出会いを経て、つながる。窓から見える海、鳥のさえずり、山から下りてくる緑の匂い、過去の記憶、料理のこと、友人とのひととき…。彼女のまなざしを通した季節のうつろいとささやかな日常は、どれもきらきらとまぶしく愛おしい。

暮らしと表現の切っても切り離せない連なりの中、心の動きを素直に紡ぐ文章は、素材のおいしさを活かすシンプルで味わい深い高山さんの料理そのもののよう。ページを捲る度にゆったりとやさしく大きなものに包まれるような気持ちになります。1年ごとに挿し込まれたアルバムページの写真と合わせて、3年に渡る日々をともに歩んでいただけたら嬉しいです。

発行は、これまでにも高山なおみさんの著作を多く手掛けた編集者・丹治史彦さん在籍する信陽堂より。この版元らしい、軽やかで美しい造本もご堪能ください。

（岡本）