「ぐりとぐら」シリーズでお馴染みの中川李枝子さん特集号「冒険のはじまり」が、スイッチ・パブリッシング発行のISSUEシリーズより刊行です。
工藤直子さんの詩で表現された李枝子さん像は「きっぱり、のひと」。
さて、実際はどのようなお人柄なのでしょう。李枝子さんゆかりの方々との対談や語りはユーモアがいっぱい。
工藤さんとの対談では幼少期の環境や思い出についてなどを軸に、言葉や映画についてなど互いの興味に派生した楽しいものに。また本を読むことが何よりだという彼女の読書について、制作過程の資料や夫であり最大の理解者であった美術家・中川宗弥さんが語る創作術や出会い、デビュー作「いやいやえん」以前の幻の作品も掲載。そして、本書には綴込み付録がございます。保育士として働いていた頃、当時所属していた児童文学グループ「いたどり」刊行の同人誌なのですが、こちらは李枝子さんが保育理論のつもりで書いたという6編の物語を収録したもので、「いやいやえん」の元となった同人誌版。貴重なビジュアルや資料とともに、中川李枝子さんの黎明期を残す1冊です。(原口)