暮らしの中にある47の日本。都道府県をひとつずつ取材する、旅と風土の雑誌「ジャパングラフ」。郷土の風景を切り取った美しい写真と、実地取材に基づくテキスト。森善之をはじめとするフリーランスカメラマンのユニット「七雲」が写真と文を手がけた、確かな人気を誇る雑誌です。

「僕たちの祖先はこの場所で、それぞれの土地に見合ったいろいろな暮らしを育み手渡してくれた」

5号目となる今号では「島根」を旅します。三百年もの間変わることなく伝承され、子どもも含めて夜通し舞われることで知られる「大土地神楽」、隠岐の島の白イカ漁、日本刀に不可欠な玉鋼を作るため、年に一度だけ古来そのままのたたら製鉄が行われる「日刀保たたら」、「人間を幸せにしてくれるなにかがあって、そこには真実がある」と語った小泉八雲の怪談。
これからの暮らしを考えるために、日本の各地に息づく地方の暮らしをあらためて見つめなおす一冊。（藤林）