僕の言葉でいうと「自分の地図」をつくるためには、
他者からのパスを起点にして、事故との対話(内省)を通して
自分の中の他者性と向き合うことが成熟への道であり、
おとなになることなのだと思っていました。
綿密なパスまわしです。
(「終わらないパスまわし:あとがきにかえて」より)
建築家・光嶋裕介さんと私設図書館「ルチャ・リブロ」の青木真兵さんによる往復書簡をまとめた一冊が、灯光舎から刊行されました。
2000年代後半、フランス文学者・内田樹さんのコミュニティ内で出会ったという二人。今を生きる私たちにとっての「つくる」ことと、自らの手を動かし「つくる」ことへの喜び。社会的な枠からはみ出ながらも自分の意志を貫き、「シュートをうつ」ことの重要性。些細な日常のできごと、現代社会の背景、内と外と自然の関係性について、同時代を生きる / 生きてきた二人が日々模索することとは。相手のことばと真摯に向き合い、自身の内に留め、再びことばとして紡ぎやり取りをつないでいく。はじめは「往復書簡をすること」に気負いつつも、次第に相手のことを気に留めない、それぞれのらしさが宿りゆく文体に。ひとりの生き物として社会を生きていく上での、ささやかなヒントを齎してくれます。挿絵は青木海青子さん。表紙に施されている封蝋に見立てたシールなど、一通の手紙を思わせるうつくしい装丁にもご注目ください。(韓)
商品情報 |
著者 | 光嶋裕介・青木真兵 |
出版 | 灯光舎 |
サイズ | 150mm × 180mm |
その他 | 235P / ソフトカバー |