最後の驚きというのはもはやなにも
きみを驚かすことはないとわかったとき
じわじわとやってくるものさ。
-「最後の驚き」本文より
リチャード・ブローティガンの新訳詩集が百万年書房より刊行されました。
こちらは1991年に思潮社より刊行された「突然訪れた天使の日」の新訳です。本書の訳者である詩人の中上哲夫さん曰く、30年の月日を経て、よりブローティガンの生い立ちや暮らしが見えたことにより全面的に訳し直し改めたとのこと。詩に登場する都市などの固有名詞にはごく短い解説が注訳として記してあり、文化や土地の持つニュアンスのわかる造り。訳者自身によるあとがきも必読です。背景を知る事で、詩もより鮮明になりブローティガンを知る為の1冊という顔もあるのではないでしょうか。帯には「かなしくてさびしくて優しい人に。」と、造本含め、読者に届けたい想い詰まった1冊です。
詩人の向坂くじらさん、ミュージシャンの高城晶平さんもコメントを寄せています。
(原口)