土地とのつながり、ものとのつながり、人とのつながり。それらによって形づくられた日々の営みの流路を丁寧に辿り、美しく切り取られた写真とレイアウトで紹介する本誌。復刊第9号の特集は「暮らすべく場所で、自分らしく」。
自分が最も「らしく」、気を張らず心地よく過ごしていられる場所とは。いつか帰りたかった故郷、季節の移ろいを身近に感じられる街、時間をかけてじっくりと育て、徐々に距離を縮めていく古民家…。
宮崎県・宮崎市に位置する、港を囲むように集落が広がる場所に立つ喫茶室「海と山のまにまに」。フランスで耳にした"いいワインは、みんなでわかち合いなさい"という言葉を胸にナチュラルワインと向き合う静岡県・静岡市「Cave LITRON」。栃木・那須町の木立のなかで牛たちと共に生き、牛たちの鼻息や草を食む音、足音などをひとつひとつ大切に掬い上げる「森林ノ牧場」。選び抜かれた茶器たちと、急須によって異なってくる淹れ方のリズム、傾け方、感じる重みを肌の近くに感じさせてくれる茶室、大分県・別府市「hitofuki」など。
毎号作り手をとりあげる「ものづくりものがたり」や、連載「ソウルフードトラベラー」では、当店でもお馴染み「あたらしい日常料理 ふじわら」の藤原奈緒さんによる寄稿も。
気がついたら長くとどまっていたり、いつかここで呼吸をし生きていきたいと感じたり、様々な場所がそれぞれの胸の奥にきっとあると思います。これからその場所を探していく方も、自分らしく暮らしていく術を思索していきたい方にもページをめくっていただきたい一冊です。