スウェーデンの写真家であり、映像作家のアンダース・エドストロームが23年間にわたり断続的に記録した京都の小さな村、塩谷村での生活。はじめは旅の記録にすぎなかったが、2008年のクリスマスに妻の祖母のために写真集を制作したことから、本作はひとつのプロジェクトに。人口47人の小さな地区であり、米や茶やキノコなどを栽培する農業を営むこの村でアンダースが焦点をあてたのは、妻の家族でした。たしかにその場に存在していた情景、人々、談笑する声。日常生活の親密な年代記、時間の経過や喪失、そして妻の祖父母の他界と死に伴う儀式。淡々とつづく家々や山の風景をも交えながらも捉えられた写真を700超えのページにわたり収載。家族写真であり、村とその土地についての肖像画でもある写真集です。