暮らしの中にある47の日本。都道府県をひとつずつ取材する、旅と風土の雑誌「ジャパングラフ」。郷土の風景を切り取った美しい写真と、実地取材に基づくテキスト。森善之をはじめとするフリーランスカメラマンのユニット「七雲」が写真と文を手がけた、確かな人気を誇る雑誌です。

「僕たちの祖先はこの場所で、それぞれの土地に見合ったいろいろな暮らしを育み手渡してくれた」

8号目となる今号では「兵庫」を旅します。水を除いて百パーセントを超える自給率を誇り、さまざまな産業が活気づく淡路島・沼島、丹波篠山地域を中心に盆踊り歌として歌い継がれてきた「デカンショ節」、震災で培われた教訓を引き継ぐ神戸市長田区の「丸五市場」、明石のタコ壺漁、そして番外編には、朝鮮より渡日し神戸市新開地で亡くなったケーファンとミリョンの物語。
これからの暮らしを考えるために、日本の各地に息づく地方の暮らしをあらためて見つめなおす一冊。（藤林）