コーヒー好きが高じて、外務省勤務からコーヒー評論家へと異色の経歴を持つ著者による、読みやすいコーヒーマニア本。日本におけるコーヒーの歴史を、シーボルトの時代から刊行当時の昭和42年に至るまで該博な知識でひもといたコーヒー史が読みごたえ充分。なにより、巻末に付された「全国コーヒー店ベスト700」のリストが読んでいて楽しい。昭和42年から今も残る名店を探すのもオツです。安野光雅による端麗なコーヒーミルが描かれた表紙も魅力的。経年のためところどころ変色などがみられますが、本文を読む分にはまったく問題はありません。
著者:寺下辰夫 / 出版社:ドリーム出版 / 135mm × 188mm / 259P / ハードカバー / 1967年初版発行