鶴見俊輔をはじめとする現代の賢者たちがワンテーマでアンソロジーを編む「ちくま文学の森」の一冊、こちらは恋愛がテーマです。人はなぜ恋をするのか、他者を愛さずにはいられないのか、そして裏切り裏切られるのか。永久に答えは出ないであろうこの難問に挑んだ作家たち、そしてその作品や文章から、この人類永遠のテーマを読み解こうとする魅力的な一冊です。サッフォーの詩、キルケゴールの叫び、アランやスティーブンスンの散文、正岡子規の考察、そして阿部定の調書まで、洋の東西を問わず、先人たちが遺した恋の痕跡を丁寧にたどったこれ以上なく読みごたえあるアンソロジー。恋に関する優れた文章には普段から触れておきたいもの。乙女の教養のひとつとして是非おそばに置いてください。
編者:鶴見俊輔、安野光雅ほか / 出版社:筑摩書房(ちくま文庫) / 105mm × 150mm / 444P / ソフトカバー