熊本にゆかりのある書き手たちの文章を束ね、「職人の自主的な共同組織」を意味する”アルテリ”をタイトルに冠した文芸誌の十八号。それぞれに自身の色を持った書き手たちが今号も揃います。冒頭には黒田征太郎「サンのこと」が力強い手書き文字で綴られ、池澤夏樹、川野太郎、渡辺京二、石牟礼道子、吉本由美、坂口恭二…生者と死者が響きあってまた新たな一冊を作り上げる。この雑誌の言葉と文の世界には独特のリズムと空気が流れます。巻末には地元熊本でのブックフェスティバルで開催された、武田砂鉄さんとアルテリ主宰の田尻久子さんのトークイベントも収録。場所について、本屋について、いやな言葉について。配信ではなく文字起こしされたものを誌面でじっくり読む楽しみも味わいつつ、とにかく面白いので是非ご覧ください。表紙画は黒田征太郎。

執筆者・参加者一覧：黒田征太郎、池澤夏樹、川野太郎、渡辺京二、石牟礼道子、ゆうた、吉本由美、磯あけみ、浪床敬子、田尻久子、武田砂鉄、坂口恭平