小説家の筒井康隆や台湾のIT大臣オードリー・タンらとの越境的な作品を多数手掛け、逸脱しつづけるヒップホップ・ユニット、Dos Monos率いるトラックメイカー、ラッパーの荘子it(ソウシット)と逸脱するヒップホップ批評を志す批評家でありビートメイカー、MCの吉田雅史。本書は二人による対談と、さまざまなゲストを迎えた鼎談を一冊にまとめたもの。「ヒップホップ特有のかっこよさ」について、対話の中で幾度となく突き当たるこのテーマをゲストとともにさまざまな観点から知見をぶつけ合い語り合う「言葉たちの観測記録」的一冊。
キャラクター性や文学性、特異なサウンドで幅広い音楽シーンに影響を与えたJ・ディラから見る作品の記名性、道化の役割、ヒップホップにおける「良い音」や「前衛的態度」とは。ひとつの音楽ジャンルをさまざまな切り口から考察する中で飛び出すワードはヒップホップのみにとどまらず、ジャンルレスに対話の中を駆け巡る。足掛け5年に及ぶその道のりと行き着く先をぜひご覧あれ。(岡本)
●目次
序 What's dope?〈かっこいい〉ってどういうこと?
一章 ヒップホップとキャラクター
なぜラッパーはアメコミのヒーローになりきるのか?feat.さやわか
二章 ヒップホップと文学
ケンドリック・ラマーの多声性、キングギドラの模範的押韻、KOHHの逸脱、金原ひとみのウェッサイ feat.菊地成孔
三章 ヒップホップと記名性
J・ディラに学ぶ、テンプレ氾濫時代に抗う”様子のおかしい”創作のすすめ
column 放蕩息子のロック帰還(荘子it)
四章 ヒップホップと道化
社会的抹殺(キャンセルカルチャー)が跋扈する時代にオルタナティヴな表現は可能か?feat.後藤護
五章 ヒップホップと「良い音」
音を視る魔術 feat.Illicit Tsuboi
六章 ヒップホップと前衛
アヴァンギャルドとポップの二項対立を超えた第三項
column ズレ者たちの系譜
跋 ヒップホップその可能性の中心(吉田雅史)
アヴァンギャルド・ビートメイキングの美学
商品情報 |
著者 | 荘子it・吉田雅史 |
発行 | DU BOOKS |
サイズ | 250mm × 128mm |
その他 | 448p / ソフトカバー |