フランスのニース在住の俳人・小津夜景さんによるエッセイ集。本から結びつく生活の一片の記憶、過去と現在の情景を行き来しながら、文そのものを生体として捉えたかのようなみずみずしさの光る40篇を収録。小学校時代の帰りの会で生まれた図書館、毒きのこを食べた日、絵本ではなく楽譜からはじまった、本というものに触れた思い出…。名文や流行り物に偏ることなく、ただ鷹揚に身を任せ、一頁一文に向き合う。自ら手繰り寄せようとせずとも自然と傍にあった、途切れながらもつづく読書という行為。仔細な糸の網目を見入るような、立ちのぼる湯気の不確かさを眺めているような、静謐でうつくしい情動をおさめた至高の一冊。(韓)
商品情報 |
著者 | 小津夜景 |
出版 | アノニマ・スタジオ |
サイズ | 135mm × 195mm |
その他 | 256P / ハードカバー |