真っ赤な表紙で愛らしく、ずっと親しみ大切にしたくなるようなお話しが詰まった1冊「いやいやえん」。
こども時期に楽しんだ方、懐かしい方もいらっしゃるのではないでしょうか。こちらは作者の中川李枝子さんが保育士として働いていた頃、その当時所属していた児童文学グループ「いたどり」にて保育理論のつもりで書いたという6編の物語が元となっております。そして書籍化に際し「やまのこぐちゃん」が新たに書き下ろされ1冊に。同人誌版「いたどり」の当時のメンバーと共に言葉を何度も噛み砕きながら作りあげられた作品で、中川李枝子さんの原点とも呼べる本ではないでしょうか。
また東京三鷹にあるジブリ美術館に併設される”土星座”では上映のラインナップに本書の中の一作”くじらとり”が短編アニメーションとして楽しめます。世代を超えて親しめる作品は読み継いで大切にしていきたいものですね。
児童への健やかなる願いと愛情、冒険の心による一途な作品たちをお楽しみくださいませ。
(原口)