黙る代わりに、書く。
かたちに残すってことがいったいどういうことなのか、
考えていたらほうれん草を茹ですぎた。
(「あとがき」より)
短歌、エッセイ、小説、童話などさまざまな分野で活躍の場を広げる作家・くどうれいんさんによる新たなエッセイ集。こちらは月刊文芸雑誌『群像』(講談社刊)で連載していたエッセイ「日日是目分量」を書籍化したもの。
ふたり暮らし。マンションの最上階から見る夜景。コーヒー牛乳と結婚。氷嚢を頭に載せた盛れ写真を見せてくれる友人。へそを出してきた友人。好きになれない自分の手。「くどうれいん」として書き続けてきた15年間。ささやかな日常に笑い、喜び、ときに沈みながらも愛でていく。たよりない一日の傍にある親身なきらめき。気持ちいい風が吹く日、台所で思わずしてしまう小躍りのようなエピソードの数々をおさめます。※サイン本は完売いたしました(韓)