萩原朔太郎『月に吠える』の装画でで知られる版画家・恩地孝四郎。本書は2016年に開催された恩地孝四郎展の図録です。
国外に所蔵される版画作品も一堂に会し、ブックデザイン、油彩画や水彩・素描、また当時の姿を残す写真を含んだボリュームある1冊。
竹久夢二の作品に出会い「詩のような画」と感激し美術を志すきっかけになった恩地、版画家として確立した立場の中での戦中。そして、40年に及ぶ画業の中で恩地にとって僅か10年の戦後抽象作品に至るまで、ビジュアル資料だけでなく、その軌跡も詳細に記された資料価値の高い図録です。(原口)