わたしもう、夏の合図を待っている 冬至の長い夜からずっと
ただしくよりたのしく歩く 光ってる水が見たくて すこし小走り
本当に正しかったかわからない決断たちよ おいで、雪解け
乱丁のある文庫本抱きしめる 愛すよたったひとつの傷を
あなたと過ごした日々は小さな旅だった 空っぽの花器の美しいこと
スパイスは火花に似てるわたしからわたしへ送る強い喝采
しゅくふくとはじける泡が光ってる 祝福 きみにはじめましてを
歌人・岡本真帆さんの第一歌集『水上バス浅草行き』につづく第二作目。東京と高知の2拠点生活の中で詠まれた歌266首を収録。
置いてけぼりにされないほの暗さ。真っ直ぐに向けられた目線からあふれる光。身の回りに浮かぶドラマチックさ、あかるい胸騒ぎ、些細な機微を寄せ集めてつくる花束。鈴木千佳子さんによる装丁も目を引く一冊。(韓)
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