雑貨化とはなんたるかを、私のもってまわっていいかたでつづられた随想録を読んでいちいち考えるよりも、
メルカリを一回やってもらったほうがよっぽど深く理解できる……
とかなんとかいってるあいだに、時は流れ、もはやだれしもが知るインフラとなってしまった。(中略)
物はつねに買うことと売ることのあいだにふわふわ浮かんで存在し、
ある一定期間だけ預かっているような気持ちがめばえてきている。
(「インターネットの波打ちぎわで」より)
今日、市場や店舗、カフェやネットショップに並ぶ「雑貨」。今やその枠組みを飛び越え、本来纏っていた「その他 / 雑多な貨物」のニュアンスをおおいに取り払っています。インターネットという茫洋とした海のなかでさまよい、物自体が背負っていた歴史やそれを手にしていた人々の記憶、やがて薄らいでしまうその価値。本を切り口に、アート、工芸、音楽とメディア、おしゃれ、サブカルチャー、聖と俗の面からその在り方と見つめ方を考え直します。「物」の所有と売買と、あらゆる困難が立ちはだかり、ゆらぎが生まれる時代の中、物を手に取り手放す私たち人間について。西荻窪「FALL」店主・三品輝起さんによる消費論と記録をおさめます。(韓)