当店でも好評の『京都のいいとこ。』の続編が刊行です。新聞社のweb連載で長く愛されているコーナーの書籍化第二弾となりますが、その選ぶ眼、穏やかな筆致、多様な視点、美しい写真と、今回も読んで見て楽しい内容。幅広いエリアを取り扱いながらもやはり小さな差異や独特の輝きに着目したセレクトが光ります。季節をいただく食の場、アート&クラフトに出会えるお店、古いものを扱う魅力、止まり木のような小さなカフェや飲みどころ、そして京の誇る名店たち。本書では2019年から2023年までの記事がおさめられていますが、コロナ禍を経て「自分の目で、舌で、肌で感じることでしか、得られない体験の尊さ」を改めて思ったという著者の大橋知沙さん。ぜひ大橋さんと京の大路や路地裏を一緒に散歩するような気持ちで眺めてみてください。本をめくることで得られる体験もまた魅力です。訪れる人だけでなく、京都に住む我々にも新しい発見を与えてくれる一冊。