地域に根ざし、そのまちの入り口となっている人たちを取材することで、地域の日常を再発見するヒントを探る新創刊の雑誌『日常』。第三号目となる本誌の特集は「まちを歩く。地域をつなぐ。」。近年注目されつつある「まち歩き」にフォーカスをあて、そのハウトゥ、考現学や路上観察学の視点から見つめた歴史、まちを歩くことで見えてくる地域の背景の読み方やつながり方に迫ります。
愛知・南知多に位置する、漁師が長靴で入店できるイタリアン「OSTERIA Bianchetti」、京都・西舞鶴「古民家の宿 宰嘉庵」の歴史と今、熊本・玉名「HIKE」の朝食、「まちのアシスタント」としてまちに飛び込む市役所職員・田中隆太さんのインタビューをはじめ、お馴染み、まちやどを営む3名によるまちやどオーナー座談会を収録。土地とのつながり、ものとのつながり、人とのつながりを丁寧に辿り紹介する『nice things. 』編集長・谷合貢さんや、料理研究家・土井善晴さんから伺う地域との向かい合い方、甲斐みのりさんによる寄稿をおさめます。毎号、一冊一冊の表紙が異なるところも魅力的な本誌。今回は取材先のひとつでもある群馬県前橋市の煉瓦を粉砕し、膠(にかわ)と混ぜたインクをひとつひとつ手塗りをしています。自分が住まうまちを歩き、まちを知ること。その愉しさや豊かさより掘り下げた一冊となりました。(韓)