製本の現場から三人の編集者へ問いかける、これからの本についてのインタビュー『製本と編集者』シリーズ第二弾
聞き手は現在出版社に勤め、主に書誌設計に重要な束見本を担当する笠井瑠美子さん。
紙の本をつくる現場から考える「本」の仕事について、今号も笠井さんが現役の編集者へインタビュー。
これまでの経歴や編集者として本を作り届けるエピソードを、個を大事に汲み取り編んだもの。
一号でもインパクトのあった、書誌設計に深く関わる笠井さんならではの企画「担当した本を壊して学ぶ」では、ゲストが編集した思い入れのある1冊を解体し、資材や工程を観察することで、「製本」に携わる職人の意図や、本のしくみを紐解いていきます。手描きの挿絵や作業場の職人さんの写真など文章の間のビジュアル、あとがきままで「本」を作るということについて考え続ける1冊。(原口)
〇今回のゲストプロフィール
松井祐輔(まつい・ゆうすけ )
一九八四年、愛知県名古屋市生まれ、春日井市育ち。千葉大学文学部史学科卒。出版取次の株式会社太洋社に勤務の後、株式会社筑摩書房、NUMABOOKSを経て、現在は無所属。二〇一四年に『HAB』を刊行。以降は断続的に『ナンセンスな問い』(友田とん)、『山學ノオト』(青木真兵、青木海青子)、『台湾書店百年の物語』(台湾独立書店文化協会)、『パリと本屋さん』(パリュスあや子)などの書籍を刊行。二〇一四年から「小屋BOOKS」、二〇一五年には移転し「H.A.Bookstore」として実店舗を運営。二〇二〇年に閉店し、現在はwebのみで販売を行う。並行して取次業も担う。本を売って生きている。
三輪侑紀子(みわ・ゆきこ)
一九八七年、静岡県浜松市生まれ。二〇一〇年頃から角川春樹事務所書籍編集部アルバイト。二〇一四年頃から編集部員に。二〇一九年岩波書店入社。所属は児童書編集部。二〇二〇年に出産。二〇二一年頃から『図書』編集部にも参加。二〇二三年の担当書は『地図と星座の少女』『ローラ・ディーンにふりまわされてる』『クロスオーバー』『モノクロの街の夜明けに』『ナイチンゲールが歌ってる』。
藤枝大(ふじえ・だい)
一九八九年に八丈島で生まれ、関西で育つ。未知谷を経て、二〇一七年より書肆侃侃房で勤務。主に詩歌、海外文学、人文書、文芸誌の編集をしている。短歌ムック「ねむらない樹」 (編集統括)、文学ムック「ことばと」、「現代短歌クラシックス」シリーズのほか、『左川ちか全集』『葛原妙子歌集』『はじめまして現代川柳』『うたうおばけ』『月面文字翻刻一例』『象の旅』『赤の自伝』『路上の陽光』『ベルクソン思想の現在』などの編集を担当。海外文学と詩歌の書店「本のあるところ ajiro」を二〇一八年に立ち上げ、運営している。
(十七時退勤社案内より)