2017年、東京・中目黒のdessinで開催されたbanryokuこと中村万緑子さんの個展を撮り下ろした作品集。
国内のアパレル会社勤務を経て、スウェーデンの離島にある小さな手工芸学校でテキスタイルを学んだbanryokuさん。布や陶芸、張子、絵など、今やさまざまな素材と手法で作品を生み出す彼女がかつて拵えたパペットや人形はどれもシュールでかわいくて、かと思えば時に毒っ気のあるダークな一面を覗かせる。じっと見つめているとふいに今にも動き出し、語りかけてくるような気さえする。それはまるで幼いころからそばにいた物言わぬ親しい友のようで、はじめて見るのにそんな気がしない、不思議な感じだ。
彼女の作品は、創造にはいつも答えがないということを気づかせてくれる。分からないことや判断できないことがあってよいのだと信じさせてくれるエネルギーがある。そこには"取るに足らないものたちの力(価値)"と名付けられた、どこまでも自由で計り知れない世界が広がっている。
写真はすべて写真家・森本菜穂子さんによる撮り下ろし。800部限定、シリアルナンバー入り。別紙「大人になった私たちのおしゃべり相手」(文:中野由佳/英訳:泉貴江)付き。
(岡本)
"
世の中にもっと
答えのないものや
わかりにくいもの
判断出来ないもの
があっていい
There can be more in this world-
Things that
have no answers,
Things that
are not easy to understand or judge.
"
(HPより)
banryoku
HP
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