閉めてから数ヶ月、みっちりと蓋をしておいた思い出。
あの日々とその時々の環状にやさしく触れられるようになるまで、結局一年以上かかってしまった。
どうか消えてしまわないように、願いを込めて綴る。
覚えておきたい、私の愛おしい場所のこと。
(「はじめに」より)
新潟県、新潟市。2015年冬から2021年春までの5年半、写真集の取り扱いを中心とした本屋兼ギャラリー「BOOKS f3」という場所がありました。本書は店主の小倉快子さんによる、お店での日々を綴ったエッセイや日記、展示とイベントの記録、Twitterでのつぶやきなどを、まるっとおさめたもの。本屋という場所が町に齎す静かな力、お店を続けるうえで必然的に生まれるさまざまな迷いと決断。閉店を意識しはじめた2019年から綴りはじめた日記。お店に立ちながら目にした愛おしき景色へのまなざしと、自らはじめた場所を手放すことへの覚束ない不安と葛藤が、率直でありのままの文体で紡がれています。綺麗事で流してほしくない、一人の書店員による、ひりひりと跡を残していくような鮮明な記憶が、今ここに。(韓)
商品情報 |
著者 | 小倉快子 |
サイズ | 128mm × 182mm |
その他 | 240P / ソフトカバー |