2023年3月、ブラジル在住のオシャラさんがチリ南部のピルワ職人ラウラさんを訪ねたことから、遥々南米よりこのカゴの入荷が叶いました。
ピルワとはチリの先住民族、マプチェ・ラフケンチェ族の伝統的なカゴのこと。素材はチュポン(Greigia Sphacelata)というパイナップル科の植物で、ピルワ造りに必要なチュポンは原生林に生える、特に高木の下に自生している柔らかく丈夫な、その中でも若葉だけを使用します。手作業でのいくつかの工程を経たものを撚り、紐にしたものを編んでいきますが、一つのピルワを編むのに30メートルもの紐が必要だそうです。出来上がったものはとても丈夫で、伝統的なデザインのものは20キロの重さにも耐えるとのこと。今回はトラディショナルなデザインと合わせ、チリの工芸財団の人たちと一緒にピルワ職人さんたちが作り出したデザインオリジナルデザインの2種類を合わせた3種類をご用意いただきました。
また、それぞれに付録としてオシャラさん制作の小冊子がついております。「ラフケンチェ族の手仕事、ピルワ」は、オシャラさんが現地で取材した手仕事を知る旅の記録。
【A】 四角・トラディショナル 昔から作られてきた伝統的な形のピルワ。大き目だけど編み目が軽やか。耐久性は3種の中で一番。20kgの重さにも耐えうると言われています。日常の買い物かごにも重宝いたします。
【B】 丸・パン ピルワ丸い形のモチーフは、パン。内袋を工夫する楽しみあるデザイン。こちらもショルダータイプ。
【C】 台形・銀のイヤリング マプチェ族の伝統衣装で身につける銀製のイヤリングの形をモチーフにしたもの。持ち手のゆったりと作られたショルダータイプ。
マプチェ・ラフケンチェ族は、現在のプエルト・サアベドラ市周辺の海岸沿いに居住しており、かつて盛んだった採貝に使用されていたのがピルワです。畑で収穫したジャガイモなどの野菜を運ぶのはもちろん、違う形に編んだものは調理道具としても使われてきました。現在ではマプチェ文化を代表する手仕事として国に認定され、ラフケンチェの人々は、その保存と普及に取り組んでいます。