"
生きとし生けるものにはみな
内に流れる
風がある
"
(「とうめいな旅」より)
若き詩人・真名井大介による詩を収めた小さな詩集。
「たましいの窓」をテーマに、いずれもやさしい言葉で紡がれた10編のごく短い詩。それらはあまねく存在するすべての生命への讃歌として、時に柔らかく、時に祈りにも似た切実さを伴ってこちらに語りかける。
この詩集がひとつの「窓」であるように。空気を含んだやさしい手触りの紙を京都の職人の手でひとつひとつ袋とじにすることで、開くたび風が本の中を吹き抜ける。本そのもの、詩の一つ一つ、言葉の一つ一つが「風」となり、こちらの返事を待っているかのよう。全編を通して光を湛えた静けさが広がる。
こころの空気を入れ替えて、深く呼吸をしたいとき。あなたを生かしている、おおきなはたらきを思い出したいとき。その傍らであなたのお守りとなり得るような一冊。
シリアルナンバーとともに、装画を手掛けた画家によるテキストを収めた特製冊子付き。巻末のQRコードからはオリジナルのサウンドトラックが再生できます。
(岡本)
真名井大介
1988年島根県生まれ / 詩人
「わたしたちを生かしているものの正体とは」を主題に、詩とインスタレーション作品を制作。第6回永瀬清子現代詩賞入選。
HP
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