なだらかな山に囲まれた京都。
大文字山に登って街をながめると四角い建物が山の裾野まで広がり、
こんもりとした森があって、まっすぐに川が流れています。
昔、ここに都を作ろうと決めた人々は山から平地を見下ろして何を見ていたのでしょうか。
また、人間がこの土地に現れる前はどのような風景がひろがっていたのでしょうか。
(本文より)
水に関するリサーチと、都市 / 空間のデザインを手がけるデザイナー、イザベル・ダエロンによる、ドローイングを基に京都の地下を流れる水の存在を表現したコンセプトブック。
京都の基盤となる岩盤の深さと、そのうえを流れる地下水の量の関係が明らかにされたのはつい近年のこと。しかし京都に住まう人々は、地下を流れる豊富な水の存在を平安時代から知っていました。
2022年の秋、京都に滞在していたダエロンさん。本書の編集を担当した永井佳子さんが事前に調査を行った京都の地下水の構造と土地の風景、気候、水とともに生活を育んできた人々の記録を追うリサーチトリップを実施。地下水が溜まる地形ができた過程、地下水の源流、当時の人々はどんな技術や道具を使い、生活をしたのか。各地でのプロジェクトの経験をもとに制作された、自然の仔細なディテールを、グラフィカルにかつ温もりに満ちたタッチで描いたドローイング20点を収録。濃淡がまじわる筆跡をじっくり眺めていると、どこからか水の音がやわらかく聴こえてきそう。雨が降り、川と交わり、幾度ない経路を辿り、私たちはどのように水と暮らしているのか。身近な水という存在を感じ、改めて見つめ直すきっかけを与えてくれる一冊です。(韓)
商品情報 |
作 / 画 | イザベル・ダエロン |
作 / 文 | 永井佳子 |
出版 | 書肆サイコロ |
サイズ | 182mm × 235mm |
その他 | 48P / 上製本 / フルカラー |