日本人なら、一時期までは毎日食すると言っても過言ではなかった料理・味噌汁。その味噌汁を見直し活かしてみようと、味噌汁づくしとなったのが本書。お客様に出す味噌汁、家族のための味噌汁、日々の味噌汁、食材を工夫して…。京都の懐石料理店・辻留の代表、辻嘉一から伝授される数々の味噌汁の魅力が一望できる実も華もある一冊です。函のデザインから写真、レイアウトまで昭和の料理書の醍醐味にも満ち、なおかつ著者は京の料理人という味もあわせもった渋みある雰囲気が素敵です。題字は北大路魯山人、装画は杉本健吉、巻頭の辞には吉川英治という豪華さ。見返し部分に若干のシミあり。ほか経年によるくたびれはありますが、概ね古書として標準的な状態です。