LOLAND HAGENBERG Works from the 1980s in New York
80年代のNY、バスキアやウォーホルなど、当時のアートシーンを牽引してきた熱くエネルギーの渦巻く場所。マンハッタンのダウンタウンで文筆や写真などを通し活動していたローランドは、スイス人アーティスト、Karl A.Meyerに出会います。丁度ルームメイトを探していた彼と、ルームシェアし始まる新生活。近所には、ジャン=ミシェル・バスキア、キース・ヘリング、ロバート・メイプルソープ、ジェフ・クーンズなどのスタジオが立ち並んでいました。表現活動に身を置くローランドがアーテイスのアトリエに赴くのはごく自然な流れでした。
「アンディ・ウォーホルをインタビューしている時、ファインダー越しでしか見ることのできない、彼の刹那の表情に心を動かされたのをきっかけに、アーティストたちを撮り始めたのだ」
本文より
ポートレートと共にローランド自身が語る、バスキアのまなざし、彫刻家 ルイーズ・ブルジョアのキュートな一面、ジョージ・シーガルの意外な私生活など、アーテイストたちとの忘れられない交友の記録。
モノクロの写真、独自の撮影スタイル、あらゆる事が可視化するアナログな世界に身をおいてきたローランド。
「アート界で国際的なキャリアを積むには、アイデアが飛び交う大都市に身を置かなくてはならない、という時代はあの頃が最後だった。(中略)もしも、脅威やリスクからも、生身の人間からも、苦しみそのものからも切り離されたとしたら、アートは苦しむだろうか?」
本文より
※テキストは日本語・英語併記。
著者プロフィール
ROLAND HAGENBERG/ローランド・ハーゲンバーグ
オーストリア生まれ、ウィーン育ち。現在は東京と京都に拠点を置く。写真家、ライターなどアーティストとして様々な顔を持つマルチメディアクリエイター。『VOGUE』、『Architectural Digest』などに記事や写真を多数寄稿し、80 年代には多くのアーティストとコラボレートし、ニューヨークのアート界をビジュアル化する出版プロジェクトに関わる。最近では、ハーゲンバーグが撮影したバスキアのポートレートがバービカン・センター(ロンドン)、森アートセンターギャラリーでの回顧展のメインビジュアルやカタログの表紙などに使用されている。主な近年の展覧会に『NEW YORK PORTRAITS「蘇る 1983 年」』(エースホテル京都、2021 年)、「バスキアとNY アーティストたち Roland Hagenberg 写真展」(三菱地所アルティアム・福岡、2018 年)など。
(原口)