地域に根ざし、そのまちの入り口となっている人たちを取材することで、地域の日常を再発見するヒントを探る新創刊の雑誌『日常』の第二弾が届きました。
「ブルースタジオ」大島芳彦さん、「栞日」菊地徹さんがメンバーに加わった今号の特集は「暮らし、なりわい、まちやど」。まちを一つの宿と見立て、宿だけでなくまち全体を楽しんでもらう宿泊施設「まちやど」を営むオーナーのお仕事と、その暮らしの様子に迫ります。今号のメインとなる取材場所は、鹿児島・甑島「FUJIYA HOSTEL」、神奈川県・横浜「本屋・生活綴方」、秋田県・五城目町「ただの遊び場」、熊本県・神水「神水公衆浴場」。まちに宿があることの意味、その地域に根ざす事業を手がけるからこそ見えてくる景色と表情。ひとりで携えては手を動かし築いていく場所やものも、人と人が関わりあい、会話を重ね、多角的な視点が混ざり合うことでやがて輪郭を持ち、形となりゆるやかに繋がっていく。消費社会である現代の大きな歯車から離れ、地産地消に対する意識や地域ぐるみの土地づくりを通し、まちの解像度を高めていく「まちやど」の試みについて。『日本列島回復論』の井上岳一さんによる寄稿、「1988 CAFE SHOZO」の菊地省三さん、雑誌『民藝』編集長・高木崇雄さんのインタビューや、まちやどオーナーたちによる対談やアンケートなども収録された盛りだくさんな仕上がり。
また今号のあらたな取り組みとして、表紙の装画は書店員が担当(!)するというおもしろい仕掛けも。どんな柄が届くかはお楽しみに。(韓)