ロボット、マンガ、寿司などの文化を差し置いて日本中に普及しているのが、お世辞にも派手とは言えないカラーコーンです。
そのシンプルかつ多様多種な佇まい、穏やかながらも偏在的な構成に、僕は美しさを感じるようになりました。(本文より)
世界有数の独立系クリエイティブ・ネットワーク「Wieden+Kennedy Tokyo」に在籍する傍ら、クリエイター兼ライターとして活動を行うMax Cameron(マックス・キャメロン)さんによる写真集。工事現場の側、家の前、自販機の横や、込み入った山道…。ひとつの場に佇むだけで「この辺りは安全」「立ち入ると危険」と事故を未然と防ぐ役割をもち、ときにはその役目を終えた後でも独自のアイデンティティを確立させ、おなじ場所に変わらずとどまり続ける。ひとりで立ちすくんだり、社交的に集ったり解散したりと、わたしたちの生活の中に自然と溶け込んでいるカラーコーンという存在。キャメロンさんが3年間にわたり撮りつづけてきた大小様々なカラーコーンのコレクションを悉に収録。わたしたちもつい見過ごしていた側面と愛おしさ、その役回りの大切さに改めて気づきを与えてくれます。日英バイリンガル表記。(韓)