学校が終わって歩き出すいつもの普通の帰り道。でも、ちょっと想像力を働かせたら…。側溝のふたは渓谷の岩場、踏み外しちゃあぶない。ビルの手すりがつながるのは不思議な地下世界、勇気出していこう!水飲み場は不気味な石像、ブロック塀の下はワニが住む川、ああ世界はなんて危険で魅力的なんだろう…誰しも経験のある子どもの空想と妄想が炸裂した楽しい帰り道。日常の裏返しにある異世界。森洋子さんが鉛筆一本で描き出す迫真の異空間は隅々まで目を凝らしたくなる妖しさに満ちています。無事お母さんの元に帰っても、振り返ればいつでも空想の世界に戻ってゆける子ども時代を思い出しながら、ページをめくってみてください。大人になってもきっと不思議な世界に飛び込めるはず。奇妙で楽しい独特の奥行きがある冒険絵本です。