「…石は重々しく不変で極端である何か、滅びることがないかすでに滅びてしまった 何かを含んでいる」
『夢の現象学』『遊びと人間』などで知られるロジェ・カイヨワが著した石についての一冊の本。長らく絶版だった作が、このたび新訳にてよみがえりました。石の断面の中にみられる精妙な画、一軒の廃屋が映し出されたかのような層、様々な表情を宿す瑪瑙、石灰石...。それらは偶発的に生まれた自然の産物でありながら、確実に何かを刻み、人智を超えた意思をも感じられるような不可思議な存在感をたたえています。古来から人々の心をとらえ続けてきた美しい石の魅力を、遠大な視点、そして該博な知識と美意識でカイヨワが論じる石についての無二の本。まるで石自身が夢を見ているかのような美麗な画像と共に、石に魅せられ続け特有の熱を帯びた文章が読者を導きます。静かで冷ややかな佇まいのデザインも美しい名著の復刻です。
※こちらは新刊書ですが、表紙に使われている紙の性質から、かすかに黒ずみが見られる場合がございます。ご了承の上お買い求めいただけますようお願いいたします。