写真家トヤマタクロウによる作品集。2020〜21年に撮影された写真より約500点を掲載。
タイトルである『DEVENIR』はフランスの哲学者ジル・ドゥルーズの著書『千のプラトー』文中のひとつ。
本書は切断と接続とを繰り返して関係が変容していく世界の中で「捉え方を変更可能なままにしておく」ことを主題にまとめあげられた写真集。
グレイッシュな雰囲気、紙肌の異なる印刷など、250頁にも及ぶ写真群は、全7編のシリーズに分節して構成された大作。
「写真」というものを通し絶えず思案し、偶然性に準備して撮影された写真の数々に、ひととき心を委ねて無心にページをめくっていきたい1冊。
■シリーズ要約
CAMERA OBSCURA :段ボールでカメラ・オブスクラを制作。スクリーンに写った像を複写。すべて自室で撮影されたもの。
ERROR:大判カメラでの失敗がきっかけで生まれたさまよい、逸れた写真
PORTRAIT:フィルムカメラで絵画表現を試みたシリーズ
OBJECT:フィルムカメラの対比としてデジタル一眼で撮ったシリーズ
[[ ]]:過去の写真集『 [ ] 』より、モノクロで出力し、カラーでスキャンし再構築したもの
2020:2020年に撮影された写真を元日から大晦日までを時系列に整列
MY FUTURE:囲まれた敷地のフェンスに何十枚も掛けてあった絵を撮っていったもの
特設サイトにて加瀬透(グラフィックデザイナー)、本書を装丁した米山菜津子との鼎談が公開中。
https://takurohtoyama-devenir.com/