作家、評論家、絵本作家としても常に一線にいた今江祥智が考察する絵本のあれこれ。絵本専門誌「月刊絵本」に寄せた文章を中心に、この世に生まれた優れた作品の数々を独自の視点で語ります。初山滋、レオ=レオニ、長新太、トミー・アンゲラー、田島征三、ライナー・チムニク、谷川俊太郎などそれぞれの特徴と色彩を知的に紐解いた読み応えのある文章。発表は70年代ですが、今もなお輝きを失わぬ名作の味わい方をこの本であらためて知ることができるでしょう。著者も高く評価する上野紀子の陰影に富んだ装丁も、大人に向けた絵本書として素晴しい雰囲気です。小口のシミなどが若干見られますが、それ以外は古書として経年並みの状態です。