岩手県の紫波町・矢巾町を中心に展開されている、雑誌でも写真集でもない、小さな共同体の営みを記録したコミュニティマガジン『人 to ひと』。毎号コミュニティの中から1世帯に焦点をあて、フォトグラファー・山本康平さんが数日間滞在し撮影を行われています。3号目となる本誌は、岩手めんこいテレビのプロデューサーとして務める菊池十郎さん・元岩手めんこいテレビアナウンサーで、現在は社会学者として活動を行う坂口奈央さんご夫妻を取材。「暮らしの”余白への書き込み”」というテーマをもとに、十郎さんと奈央さんによるそれぞれの、過去から今、未来へわたるエピソードが語られています。学生時代に書き記されたノート、見つからない父からの遺言、両親からの手紙、夢だったアナウンサーを辞め進んだ研究者への道…。お二人が辿ってきた道筋から、異なる者同志であるからこそ必要とされる「対話」の大切さについてなど、人生のひとつのきっかけをもたらしてくれるような一冊となっています。