変化はゆっくりな方がいい、誰の記憶も頼りにしないくらいゆっくりな方が。(本文より)
幼少期を四国やニュージーランドなど自然豊かな地で過ごし、現在は栃木県で文筆・映像・建築土木作業などを行う町田泰彦さんによる短編集。本書は栃木県益子町で刊行されているタウン誌『ミチカケ』で7回にわたり連載されてきた「土と土が出会うところ」を一冊にまとめ、再構築したもの。日々を暮らすこと、書くことと家を建てること、定住と旅、現実と夢との境を時に滲ませながら、土を捏ねるように動き続けることばとからだ。街と人が、土と水が交わり合うとき、とめどなく流れゆく時間を、一歩下がったところより見つめ直すような短編7章が、町田さんご自身による写真と絵も併せて収録されています。出版は、写真家・東野翠れんさんが立ち上げた出版レーベル「shushulina publishing」より。