おんなのこは、かんがえました。
しぬのは いやだな。
しにたくないな。
アンネ・フランクの言葉に着想を得た著者・小林エリカさん初の絵本作品。女の子は、ある時歌をうたいます。台所へやってきたねずみ、ねずみを食べようとした猫、ねずみのお尻にくっついていたノミたち…歌はみんなにうたわれて、時が経ち、やがて遠くの街の小さなアパートにも届きます。
死とは、すべての喪失なのでしょうか。女の子が歌をうたうこと。誰かがその歌をきくこと。女の子が死ぬこと。その歌を誰かがうたうこと。物語を通じて、死ぬことと生きることの明確で曖昧な境界を見つめ直す、死をめぐる絵本シリーズ「闇は光の母」の記念すべき第一作。ネオンカラーを用いた印象的な色づかいも魅力です。