即物的に吐き出される言葉や写真ではなく、蒸留され樽でねかされるべき気持ちを。流れていく情報ではなく、沈殿する感情を。「個人」の手帳に書き込まれた記憶を開するように放たれる『NEUTRAL COLORS(ニュー・カラー)』。作り手たちが自ら刷る量を決め、オフセットとリソグラフを融合させ、大量生産では実現できない手法で編み出されるこの雑誌は、インクが手についたり、濃淡に個体差があったり、一冊として同じものはありません。
創刊号から一年、待望された第2号の特集は「学校」。編集長自ら数十年ぶりに小学校を訪ねる物語。与謝の海支援学校で教育の原点を見つめ、ドイツでシュタイナー教育の魔法を知る。ミャンマーのヒップホップシーンの多様な色彩、京大吉田寮のブラックホールに闖入する。現役の先生によるぶっちゃけ話は2万字を超え、移民の子孫が学校で踊る。その他、アイスランド、鹿児島、ブラジルまで、どこまでも「超個人的な」内容が続きます。
(涌上)
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