1990年にいわさきちひろ絵本美術館にて開催された、チェコの絵本作家でありグラフィックデザイナー、クヴィエタ・パツォウスカー展の図録。紙工作やポスター作品、グラフィックや絵本作品。その自由でモダンで計算されたイマジネーションが堪能できる薄いながらも充実した一冊。パツォウスカーとも縁の深いいわさきちひろ絵本美術館ならではの丁寧なつくりです。飯沢匡、松本猛による寄稿も読み応えがありますが、パツォウスカー自身が寄せた冒頭の言葉が素敵。カフカ的世界と童心のまざりあった奇妙で鮮やかな世界。表紙の角に若干のひしゃげあり、それ以外は経年によるくたびれはありますが概ね古書として標準的な状態かと思われます。