ことばは死んだ
口にされた時、
という人がいる。
わたしはいう
ことばは生き始める
まさにその日に。
(本文より)
人生のなかばからほとんど外出することなく、生前にはわずか10篇の詩を発表したのみで、無名のまま生涯を終えたエミリー・ディキンソン(1830–1886)。しかし、死後に遺品の中から発見された1800篇近くにおよぶ詩稿は、時代を越えて人々の心に訴えかけ、やがてアメリカを代表する詩人として高く評価されるに至りました。本書では、その膨大な作品群の中から50篇を精選。訳者による解説と脚注が付されており、ディキンソン独自の詩的表現を読み解く手助けとなります。ジョゼフ・コーネルや武満徹をはじめ、多くの芸術家に影響を与えたディキンソン。その豊かな内面と精神から生まれた詩の数々を、文庫で堪能できるおすすめの一冊です。