国産の良質な竹を使って、一つ一つ丁寧に手作りされたうちわです。図案は型染め第一人者、柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)さんのもの。 竹の丸みを生かした丸柄は手に馴染み、扇ぐとしっかり手応えのある弾力で、ここちのよい風を運んでくれます。 扇いで風を起こす用途だけでなく、姿や形で夏を涼やかに演出する「うちわ」。洗練と素朴さとユーモアを兼ね備えた柚木さんの図柄は、伝統に裏打ちされる民芸の香りを保ちつつも、どこかポップで古さを感じさせないのが魅力。浴衣の後ろに差したり、季節のしつらえ、暑中見舞いの贈り物にも。
こちらは飛鳥時代から使用されてきたとされる伝統柄「青海波(せいがいは)」文様を取り入れたもの。水しぶきを上げる波はリズミカルで優しい表情です。
柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)
1922年、画家の家に生まれる。戦後、民藝運動の創始者・柳宗悦に傾倒し、民藝作家の中でも型染めの第一人者である芹沢けい(※金へんに圭)介氏に弟子入り。
大胆かつ調和のとれた色使いの芹沢作品の特徴を継承しつつ、
動物や自然をモチーフとした作品には、どこか頬が緩むようなお茶目さや温かさといった柚木独特の味わいがある。