1928年高知に生まれた岡上淑子さんは、戦後の復興期に文化学院デザイン科に入学、授業の課題で出された「切り絵」をきっかけにコラージュに目覚めます。女性ならではのセンシビリティに富んだ作風は、日本におけるシュルレアリスムを牽引した瀧口修造に認められ、タケミヤ画廊で2度に渡り個展を開催。その後結婚を機に美術界から遠ざかりますが、22歳から約7年間の短い間に制作された100点を超える作品は、半世紀の時を経て今もなお新鮮で驚きに満ちあふれています。本書は、岡上淑子さん自身が作品選定から構成、エッセイ執筆まで手掛けた自選作品集の新装版。コラージュの手法によって新たに構成された夢の世界に誰もが魅了されます。