歴史ある婦人雑誌「ミセス」の粋を集めたような『ミセス全集』。「きもの」「味」「住まい」など、多岐にわたるテーマはさながら奥様の百科事典。昭和の家庭の文化史とも呼べる内容も興味深く、エッセイの執筆陣も豪華。そしてその写真やコーディネート、デザインの妙も独特の魅力にあふれて見応え十分です。家庭的でありながら、どこか艶やかで品のあるページづくりはさすがの一言。ミセスとして歩む女性たちの道筋を照らすような優しさと気品にあふれたこの全集。今の時代から見ると遠くなってしまった、古きよき昭和の婦人世界が詰まっています。こちらは第6巻「刺繍の楽しさ」。クッションやテーブルクロス、そして子ども服まで、昭和の時代にミセスのたしなみだった刺繍の美しさと楽しさをふんだんな写真で紹介しています。「刺繍は手と針で創る叙事詩」。四季の草花のモチーフを中心にした作品には、あの頃の豊かさと家庭の美意識がそのまま伝わる雰囲気が。エッセイには串田孫一、三岸節子など。
古い本ですので、函に若干のくたびれあり、小口や見返しにところどころ経年並のシミ等あり。函にも小さなカスレやくぼみなどが見られる場合があります。それ以外は中はしっかりしており読む分には問題ありません。なお、本全体に古本特有の湿った香りがありますが、古書としての通常の範疇を出てはいないと思いますので、事前にどうぞご理解の上、お買い求め下さい。