一人の女性による猫カードコレクションを、写真やポエムもおりまぜながら思いっきりロマンチックにまとめあげた愛くるしい猫本です。19世紀から20世紀にかけてのセピア色をした猫と少女のカード、カラフルに彩色された写真など、かつてよく見られた欧米の女性向け土産用カードの数々。並べられるといっそう当時の香り、そして猫の持つ特異な魅力が浮かび上がります。そして巻末には寺山修司による「猫探偵としっぽのない少女が書いたライナーノート」なる短文が添えられ、合間合間に挟まれる写真や詩の構成とあいまって、全体的にどこか新書館を彷彿とさせる趣なのも素敵です。後半にほんの少し水濡れのようなページ下部の波打ちがみられます。それ以外は、経年によるくたびれは若干見られますが、概ね古書として標準的な状態です。