大学で文化人類学を専攻し、フランスで美術を学びデザイナーとして独立。発酵食品のデザインを多く手がけるうちに「発酵デザイナー」を名乗ることとなった著者、小倉ヒラク。発酵と文化人類学をクロスオーバーさせた、デビュー作『発酵文化人類学』は大きな話題を呼びました。こちらは注目の書き手による、待望の2冊目の本。8ヶ月に及ぶ、47都道府県の発酵文化をリサーチするフィールドワークの旅を記録した一冊です。
山・海・島・街。酒・味噌・醤油、見知らぬ食べ物まで。その発酵の過程を目にし、実際に食べる。発酵食とは、その地の食文化や気候、あらゆる暮らしのアーカイブとして連綿と引き継がれていくもの。「発酵」という現象を通じて、人々に出会い、各地の歴史や伝統を調査していく様子は、まさしく発酵文化論という言葉が似合います。発酵そのものを愛し、職人や住民、現場の人々へ最大限のリスペクトを惜しみなく表現するヒラクさんの真骨頂とも言える一冊に。発行は、『d design travel』のD&DEPARTMENT PROJECTから。