『魔女の12ヵ月』に続き、魔女の専門店を営む飯島都陽子さんがふたたび魔女めいた本を著しました。本書では「魔女の大切にする植物」をテーマに、庭と森にわけて四季折々の野草や薬草など50種以上を紹介。魔女は上手に植物ともつきあい、時には魔法に使い、時には暮しに役立てる。それは、現代の我々にも何かを示唆してくれるアイデアの宝庫です。著者えがく濃密で可憐な雰囲気のイラストレーションとともに、それらが実用的かつ古来からの逸話なども交えて詳細に語られるページからは、やはり何かしらの魔力を受け取れそう。花、果実、ハーブ、野菜など、様々な植物の効用や豊富な解説が読んでいて楽しく、自然を味方につけた魔女へまた少し近づけるような気がします。魔女とは「あちらとこちらの境界にいる人」と冒頭に書かれているように、時にはあちら側へ一歩踏み出し、魔女として暮らすのもいいかもしれません。人々を魅了する「魔女なるもの」を素敵に表し、内に眠る魔女ごころを目覚めさせる不思議な一冊。