「あそびうた するもの よっといで」...。さそいうた、てあそびうた、かぞえうた、えかきうたなど、子どもたちの遊びの中から生まれた様々な「うた」を、昔話の再話でも知られる作家の中脇初枝さんが丹念に集めました。地域によって、時代によって、異なり変化してゆくあそびうたの多様さ、生き物としての面白さ。紹介されたうたひとつひとつが実にユニークで、これからも歌い継いでゆこうという架け橋になる作品です。何よりもひろせべにさんの明るい挿絵が、その魅力を更に深め、独特の世界を編み出しています。フルカラーで描かれたそれぞれのうたの情景、その味わいを目にするだけでも楽しい。伝承されてきたあそびうたを子どもと歌う機会は今はなかなかないもの。だからこそ、この一冊が与えてくれる豊かな世界の広がりが尊いものに思えます。子どもと一緒に声に出して、あるいは一人で口ずさんでも。民俗学的な視点で興味のある方にもぜひ。こちらは表紙の女の子が虹色の旗を持って動物たちを誘う姿が愛らしい「よっといで編」です。同時発売の「あそびうたするもの このゆびとまれ」と共にご覧ください。