石切り場の事故以来、火が燃えにくくなった世界。庭園の大茶会で火を運ぶ娘たちを孔雀が襲い、大蛇蠢く地下世界を男は遍歴するーー。
香り立つ言葉を操り、独自の物語世界を作り上げる伝説の幻想作家、山尾悠子の8年ぶりとなる連作長編小説『飛ぶ孔雀』が文藝春秋から刊行されました。本書は文芸雑誌「文學界」の2013年8月号と2014年1月号で発表された「飛ぶ孔雀」と、書き下ろし「不燃性について」の二部構成。「飛ぶ孔雀」では、著者の子どもの頃の記憶、育った岡山の土地やこれまで目に触れたあれこれの断片を織り交ぜたのだそう。夭折の銅版画家・清原啓子の精緻で幻惑的な装画と相まって、読者の心を掴みます。オプションより「単行本」「文庫本」いずれかをお選びください。