50年代からピカソと深く交流を続けてきたアメリカ人カメラマン、ダンカンによる限りなくピカソに肉薄した写真と記録の書。創作風景はもちろんのことそのプライベートや交友関係にいたるまで、この天才を文字通り丸裸にしたような内容は、カメラマンの目を通じて描かれた写真による自画像のよう。大胆で美しい写真の数々は見応えがあり、静と動が織り成す風景が豊かな物語を紡ぎます。ピカソに興味がなくとも目を引きつけられる魅力に満ちた大判の一冊。73年に没した画家へのオマージュ。古く大判の本のため、綴じが少し緩く感じられることがあります。それ以外にも経年相応のくたびれがありますが、古書としては標準的な状態です。